2010年8月16日月曜日

マーケティング頭脳を持つ自動販売機に会ってきました

品川駅に設置してある「マーケティング頭脳付き」の自動販売機を見てきました。

タッチパネルに商品や広告を表示し、前に立つ人を認識して、その人にあった商品をお勧めする機能をもっていたり、「マーケティング頭脳」を持っているという事で興味があり、近くまで行ったついでに品川駅で降りて見てきました。

近くで見ると普通の自販機



遠くで見ているとテキストと画像が表示されている(まだ広告機能は果たしてないらしい。広告ではなく、飲みたくなるようなメッセージを表示してありました)のですが、近くに行くと商品表示画面に切り替わり、普通の自販機のような画面になります。

おすすめ機能は何パターンか人を判別しているようです



私の前に購入していた女性の時は、ジャスミン茶、爽健美茶、水を「おすすめ」として表示してありました(その女性は別のお茶を購入してました)。さて、私の番、私の時は、ポカリスウェット、水、コーヒーをおすすめされました。男女の区別は出来ているようです。また、一度離れて、広告画面になってから戻ってみても同じ商品を勧められました。ある程度誰かは判別してるのでしょうか?次はちょっと鞄を前に出して近づいた所、今度は、オロナミンCとコーラを勧められました。その後しばらく見てましたが、男女、年齢によってそれぞれ何パターンか持っていそうです。

ところで「おすすめ」されたものを買ったことありますか?

ちょっと論点をずらしてしまいますが、みなさんは「おすすめ」の表示で自分の選択が変わった事ってありますか?私はありません。いつも買うものは何パターンかに絞られていて、その中でその時の気分で選びます。「おすすめ」が影響したことはありません。統計上の趣味嗜好で「おすすめ」を選んでいるはずなので、結果が良いのは当たり前です。どれくらい統計の数字よりも良いのか結果を知りたいところです。

そもそもマーケティングじゃないような・・・

マーケティングを行うというのであれば、4Pや4Cについても最善策を打って欲しいのですが、気温によって価格が安くなるとか、そういう機能は無さそうです。セグメント分けしたターゲティングのみの施策のように思います。まぁそういうツッコミをする人自体少ないでしょうが、個人的にはかなり気になってしまいました。

ほかにも不安要素がいくつか・・・

他にも気になる点がいくつか感じられました。まず1つは、遠目に自動販売機に見えない事があるという事。今はメディアに取り上げられた事もあり、目新しく私のようにあえて見に来るという人も少なくないと思います。それで売上は上がるでしょうが、一段落着いたあとは少し不安です。遠目に見ると広告が動いているだけで自販機と思わず、他の自販機を探してしまいそうです。二つ目に自販機の前に人が立つと広告が表示されない=広告の意味をなさないということ。三つ目はユーザーインターフェースが高齢の人には厳しく感じました。硬貨を入れる場所、ボタンではなく商品の画面を押す所など、買う段階で迷って購入できない人がいるのではないかと感じる事もあります。

せっかくの最先端技術であるならば

最先端技術を取り上げているのに使いづらくなっている印象がありました。せっかく最先端なので、目の見えない人でも硬貨やSUICAで購入しやすく、また、点字モニタ等で商品を選べるようにしたり、色弱の方の為に色合いを考えたり、視力の弱い人の為に顔を近づけるとその部分が拡大されたり、アクセシビリティも考慮して欲しいと感じました。特に高齢者には買いづらいと思いました。高齢者はボタンの方が明らかに押しやすいですし、硬貨を入れるところ、お釣りを取り出すところなどは色合いも含めてもうちょっと考えて欲しかったです。

今後の更なる改良を

まだ品質的にはプロトタイプだと思います。今後バージョンを上げていくうちに上記問題を解決して本当に売れる自販機にしていって欲しいと思います。

最近は酷暑続きで、自販機の需要も相当高まっていると思います。このタイミングでいろんな調査をしてより良い自販機にして欲しいものです。

今回はこのくらいで。

それでは。