2010年11月3日水曜日

[課題図書] インターネット (著)村井 純

インターネット
(著)村井 純




[目次]
序章 インターネットの力
第1章 インターネットの仕組み
第2章 インターネットの空間
第3章 メディアとしての可能性
第4章 インターネットの変遷
第5章 インターネットの重要課題

[感想]
1995年に出版されたとは思えないほどインターネットの歴史を如実に語っている感じです。1995年なので驚異的な普及が訪れる前の話で、ユーザーもまだまだ先進的な人か技術的な仕事をしていた人に限られる状況で、ここまで一般に普及し、かつ、これから発生するであろう問題まで的確に予言しているのには驚かされます。個人的には同じ時代を同じように生きてきたので、非常に懐かしい一冊となっています。登場する人物、登場する製品、技術、すべてが懐かしく感じられ、この中の話に自分が関われていないのが少し悔しくも感じられます。

「インターネットの設計思想はラフなコンセンサス」との記載の通り、昔はメールも届かないことがあるぐらいの感覚だったはずなのですが、そこから商用化が始まり、日本では特に品質が急激に向上し、今ではメールが届かない事は考えられない世の中になっています。設計基盤的には届かなくてもしょうがないところを、ハードウェアとソフトウェアを考え抜く事で品質保証ができるところまで技術が進んでいるということです。これは想像よりも相当大変な事です。これらの技術進歩の先頭を走っている著者の村井純氏には改めて驚かされるばかりです。

[情報]
『インターネット』
岩波新書 新赤版 416
発行所:株式会社岩波書店
発行日:1995/11/30
著者:村井 純
定価:735円(税込)